以前から読もう読もうと思いつつ、タイトルやあらすじから内容が想像できてしまって、何となく読まずにきた「和菓子のアン」。
でも、いつか気持ちが和菓子になったら読もうと思っていたのです。それが今!!
ちゃんとしたお店の接客や、きちんと作られたお菓子は和洋問わず、おいしくて嬉しいのです。
昨日からPCが壊れてしまっていて、 それを復旧させている合間に、読みふけってしまいました。
「和菓子のアン」恐ろしい子。
なんという読みやすさ!
そしておいしさ!
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食べ物が出てくるお話は大好きです。食べ物がテーマではない小説の中にハッとするような食べるシーンが見つかったりすると嬉しくなったものです。今は探さなくてもグルメコミック、グルメ小説がたくさんあって、どれを食べようか…読もうか迷います。
残念なのはどうもグルメ小説は短編が多いこと。グルメミステリーになると一つの料理やお菓子で長編は難しいのでしょう。一種類では食べるほう…いや、読むほうも飽きてしまうかもしれませんしね。
この「和菓子のアン」は「真夜中のパン屋さん」や「タルト・タタンの夢」と同じように章仕立ての長編です。同じ登場人物の中にちょっとしたミステリーな事件が出来事が章ごとにおきて、それを解決していくことで主人公をはじめとする登場人物が何かを気づかされたり成長していきます。
デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー。
あれ?そういえばわたし和菓子のアンコちゃんに雰囲気似てるって言われたこと、「はてなで」ありましたよ。
わたしも百貨店の地下、デパ地下でアルバイトしていたことがあります。売り子さん。店舗採用ではなく、百貨店の人事採用でしたが、チョコレートやお菓子やケーキなどの催事販売をしていました。
あちこちにベテランのお姉さんやおばさんがいて、売り上げを競っている中、のほほんと売っておりました。それでもだんだん慣れてきて「わたしもなかなかいい感じだなー」と思っていたら、最終日前日にどぎつい化粧をした、反対側の店舗のおばさま(ごめんさい。当時はみんなそう、見えました)女性販売員から手招きをされて「ちょっとこっちに来なさいよ」と呼ばれてしまいました。
「あなた学生さんなの?」
「はい。そうです」
「次も決まってんの?」
「あ。はい。一応」
「ふーん。いくらもらってんの」
「え?」
「いまもらってる1.5倍は出すから、次はうちで売らない?」
「えっ?」
「大丈夫よーやることは変わらないから。入店証は変わるけど」
びっくりして固まっていたら、斜め向かいのお店から、これまた女性店員さんが出てきて
「あなた、この人に今なにを言われたのっ!!」
「えーっと…」
口ごもっていると、女性店員さんは、おばさん女性店員さんのほうにくるりと振り返って
「ずるいわよ!一緒に誘おうって言ってたのに抜け駆けするなんて!
いくら出すって言った?
うちはそれよりも多く出すから、うちでやらない?」
別の店から男性も出てきて
「あーーーわたしも帰りに打診しようと思っていたのに!!」
モテモテでした。
モテモテ(ウフ)
反対側からずっと見ていたそうです。もちろんわたしを誘うにあたっては、上司の許可とか本社の許可とか事前にもらって。あとは最終日前日まで協定結んで待っていたとのこと。
売っているときの雰囲気とか、まじめな応対とかがよかったそうです。あとは笑顔かな(テヘ)よく売れたし。
アンちゃんも、お客様に説明をしているときはとても素敵なようです。
同僚の立花さんのとっても強面の師匠にこんなことを言われます。
「知識はぼろぼろだったけど、とにかくうまそうに話すものだから、つい俺も聞き入ってしまった。ああいう接客は、俺の店にはないもんだからね」
「菓子の知識も大事だけどよ、店頭に来た客に訴えかけるのはやっぱり「これがどううまいか」ってことなんだろうな」
あのときのわたしもそんな風に見えていたとしたら、とてもうれしい思い出に変えることができます。わたしから買って食べてくださったお客様や、お客様が贈った相手の方も、おいしいと思ってくれたかしら。
うーん。
全然、本の感想文になりませんでしたが、短編お気軽ミステリーですから、本文はぜひお読みください。
そして、間違いなく和菓子が食べたくなる&和菓子の奥深さや歴史に興味がわいてくる1冊になるでしょう。
今日はここまで。
はじめて作る和菓子のいろは 季節を楽しむ和の菓子、茶席のお菓子
- 作者: 宇佐美桂子,高根幸子(和の菓子いろは)
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