おうつしかえ

ブヒブヒ言ってるだけです。誰も恨んでいません。

料理にまつわる思い出

母は体の弱い人でした。

 

わたしが小さいころにも何回も入院をしたり、床に伏せっていることがよくありました。

 

「ただいま」と言っても、家の中がしんと静まりかえって、返事も聞こえないときは母が寝込んでいるときです。

 

ランドセルを置いて、奥へ行き、母がいつも寝ている部屋の戸を開けると、ふとんにきちんと寝ている母がいました。具合が悪くて寝ているときも、母はきちんと仰向けに布団をまっすぐ掛けて寝ていました。

 

「だいじょうぶ?」

「・・・夕飯作ってくれる?」

「う・・・うん。いいけど」

 

料理にまつわる思い出

小学校低学年の頃だと思います。

 

何をどうすればいいのか、ほうれん草の茹で方すら解らなかったのですが、とりあえず「うん」と言って、何をすればいいのか母に聞いて台所へ立ちました。

 

お米の研ぎ方や、水の量などはわかっていましたから、ご飯は炊きましたが、そのあと何で何をすればいいのかちっともわからないので、いちいちいちいち、母の寝ているところへ行き

 

「何度もごめん」

 

と、前置きをしながら、どうすればいいのか聞きました。

 

「ほうれん草はお湯から茹でるの?」

「茹でたらどうするの?」

「どれくらい絞るの?」

「豆腐はどうやって切ればいい?」

「包丁はどれ使う?」

「魚は弱火?強火?」

 

きっと、母はちっとも休まらなかったと思います。

 

「そんなの適当にやりなさい!」と、言いたかったかもしれません。でも、その都度指示をしてくれました。

 

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結局、作ったのは、ほうれん草のおひたし、豆腐とねぎの味噌汁、焼き魚、ご飯、みたいなものだったと思います。あとは冷蔵庫の残り物。

 

多分それが一番最初にわたしが家族の夕飯を作った時です。母はおいしいと言って食べてくれました。

 

それからも、時々そういうことがありました。

 

今思えば、レトルト食品とか、缶詰とか、今思えば色々やりかたはあったと思うのですが、我が家はそういうものをあまり食べない家でした。レトルトの「○○のもと」みたいなものすらほとんど使いませんでした。

 

だから料理って大変だーというイメージなのです。

 

カレーも市販のルーを使いませんでした。カレー粉を炒めて作ります。いろいろなスパイスが簡単に手に入らなかったので、カレー粉と小麦粉といくつかのスパイスだけでルーを作ります。

 

母が寝込んでいるときに、一度、カレーをつくりました。これは小学生高学年くらいだったと思います。

 

母が「大変だからルー買ってそれ使って作って」と言ったので、市販のルーを買ってきて作りました。

 

父がいて(いないことも多かった)、一口食べて言いました。

「なんだ?このカレー?」

「あ・・・お母さん寝込んでいるからわたしが作った」

「食えないわ。こんなカレー」

 

 市販のルーですから失敗はないです。

普通においしかったです。

 

「えー?そう?おいしいよ」

と、モリモリと食べていたきょうだいを促して、父は

「外でなんか食べてこよう」

と、二人で出て行きました。

 

その様子がわかったのでしょう。

 

起きられないし「カレーはちょっと無理」と言っていた母が起きてきて、

 

「少しカレー食べようかな」

そして、カレー食べて

「わたしのとは違うけど、おいしいよ」

と言いました。

 

二人でカレーを食べました。

少し泣きました。

 

社会人1年目に一人暮らしをして、そこから3年間で3回しかご飯を炊かなかったわたしですが(オール外食)、今でも「やればできる」と思っているのはそのころの母の寝ながら指導のたまものだと思っています。

 

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2つ目の料理にまつわる思い出

学生の頃、友人Aちゃんの部屋でおしゃべりしていたら、Aちゃんと同じサークルの男子が「何人かうちに来てるんだけど、なんか作って~」と連絡してきました。

 

Aちゃんは見た目も性格もわたしよりも全然女らしい風情を醸し出しながら、家事的なことは何もしたことがありませんでした。Aちゃんの冷蔵庫には酒と一緒にゴキブリが住んでいたという伝説をもっている女子です。

 

「ねーばんばん一緒に行って作ってよ-」

「えーでもその子たちわたし知らないよー」

「(*・人・*) オ・ネ・ガ・イ♪」

と、言われたので、買い出しをして何か作ることに。

 

その時は何も考えずに、いつも家で作っているおかずを作りました。

 

細かいものは何を作ったか覚えていませんが、メインは大根とバラ肉の煮物。

 

我ながら良い味でできたと思いました。食べる食器も座る場所もないくらいだったので、お礼のビールとか食材費とかもらってわたしは帰りました。

 

後日Aちゃんに「そういえば、あれみんな食べた?」と聞いてみました。

 

「なんかねぇーこれ?これなの?こういうのなの?みたいに、みんな言ってたよーなんかねーハンバーグとかグラタンとかそーいうのを期待してたみたい。あ、おいしいとは言ってたし、わたしもおいしいと思ったよ」

 

と、Aちゃんは屈託のない感じで教えてくれました。

 

なぁ~~~んだ。

そうなのか~~~。

 

って。

 

何か少しがっかりしました。

 

傷ついた!とかヾ(○`з´)ノプンプン! とか、そういうことでは全然ないのですが、いまでも覚えているということは、多分心にひっかかるものがあったのでしょう。

 

料理の思い出というと、この2つを思い出します。

まとめ

料理にまつわる 恨み言 思い出を2つ書きました。

 

わたしはいい加減な人ですから、計量して何かを作るということもほとんどありませんし、料理には1つも自信はありません。

 

食材や調理器具は進歩したのだと思いますが、わたし自身は小学生からあまり進歩していないんだと思います。

 

簡単に、自分で作れるものを作って、それをはてなにアップしてスターやブコメをいただけることは、とてもうれしい反面、申し訳ない気持ちもします。

 

作ってアップしているものは、うっかりするとメシマズにランクインするのではないかという見た目ですし、ほんとうに料理が得意な人からしてみると片腹痛いものばかりでしょう。

 

でも、料理が苦手な人や、何かのヒントとして役立つこともあるかもしれないので、これからも時々書いていきます。

 

と、つらつら書いてみましたが、ちっとも話がまとまりませんー

今日はここまで~

 

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