朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」を楽しみに見ています。
昭和の男尊女卑がバリバリあっただろう時代を、現代の女性たちでもある程度納得のいくような感じに、好感度を維持するような感じで上手に作られていると思います。
今週も「女の一生」という地雷めいたものがありましたが、その地雷を踏むことなく、うまいこと今の感覚で納得できるような感じに着地しそうです(まだ今週の分、何話か見てない)。
前回のドラマはとと姉ちゃん。あまり好きではありませんでした。
わたしにとってはセピア色の思い出の中にある「暮しの手帖」という古い雑誌の話ですし、戦後の話って復興で盛り上がって、食べることから衣服から興味深いことが多いので、ないところから何かを作り出すという、わたしの好きなテーマが盛りだくさんだったのですが、なんでしょう。あまり好きにはなれませんでした。登場人物一人一人は好きな役者さんだったのですが。うーん。とと姉ちゃんのキャラに納得できなかったからかもしれません。子役時代に高いところに登って自由奔放、というエピソード。丁寧な暮らしの母と父に育てられていたのに、どことなく上品さに欠ける感じ。では前に前に進んでいく強さがあるかと思うと、それも少し薄めな感じがして、うーん。しまいには主題歌すら嫌いになってしまいましたわ。
ですが、今回の「べっぴんさん」は、いいんですよ。好きなんですよ。
一番いいのは主人公のすみれが上品なこと。ああ、わたしは上品な人が好きだったのか。憧れなのかな。同じように育っていてもお金があるないにかかわらず、どことなく上品な人とそうでない人がいますよね。立ち居振る舞いから、指の動き、口調、ちょっとした仕草。上品で丁寧な空気を纏う人と、上品さに欠けるガサツでボサボサとした空気の人、またはキリキリした人。わたしはもちろん後者だと思っています。
登場する女性たちのほとんどが、元がお金持ちのお嬢様たちですから、いちいち上品な感じを醸し出しています。朝のドラマとして、凛としてしゃんとして背筋が伸びる感じです。すみれ役の芳根京子いいなぁ。
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小さいころ。叔母にもらった刺繍されたハンカチが素敵で、わたしもおこづかいで刺繍のセットを揃えて、しばらくはまったことがありました。えぇ。そんなこともやったんですよ。わたしも。でも、ほら、あれですよ。根が雑なので、丁寧な丁寧な仕事とはほど遠く、針を刺しているうちに白いハンカチも茶色くなったり、血がついてしまったり。でも、ローズステッチ好きだったな。葉っぱの部分を埋めていくのは憂鬱だったけど、ローズステッチは好きでした。バリオンローズステッチって言うのかな。どうやらわたしがやっていたのはフランス刺繍なんですね。
もう絶対やらないと思って、お道具もすべて処分してしまいましたが、ぺっぴんさんを見てまたやりたくなってしまいました。ゆっくりと一刺し一刺し丁寧に針を刺して刺繍をする。またいつかそんな日が来るいいな。今は気持ちも時間もお金も余裕がないっす。
ドラマを見ていると「そうだよ。わたしもきちんとやろう」そういう気持ちになります。わたしに一番欠けているものだと思うので。そういう気持ちにさせてくれるドラマは朝ドラとしていいなぁ。やっぱり。
今はもうドラマの中では世代は変わって、すみれたちの子どもの時代へ。年頃の娘を持つお母さんのすみれに芳根京子はどうなんだろう?と思っていましたが、いやいや、だんだんおばさんに見えてくるから不思議です。すみれ母さんに反発する娘。なんかダークサイドに落ちていきそうな...いや!いや!!いやぁーーーーー!!つまらなくなりそうーーーと思いましたが、ほら、そこはNHKの朝ドラですから。民放の21時、22時台のドラマのように、どうにもならない沈鬱な展開にはならないはず。重いテーマもさらっと流れますから、きっと大丈夫です。ちょっとの辛抱です。って、思うと「おしん」って朝ドラでしたよね?よくあんな暗いドラマを朝から流したもんだ、て思いますね。今なら反発が大きいだろうなぁ。ビバ!NHKっ!
話を戻すと、すみれたちがうまくいったのは、ある意味、お嬢様だったからんだろうなーと思いました。本物でいいものに囲まれてきた生活。だから上質ないいものが肌でわかる感。いいものがわかるっていうのは、もちろんあとから学ぶこともできますが、小さいころからの日常生活の中で培ってきたもの。それは目に見えない財産だったんだろうな、と。
上質なものを見極める目だけではなく、目には見えないそういう財産。そういうものを、誰でも持っているんじゃないかな。自分でも意識をしていない財産。まだ気がついていない自分の強み。そこに仕事や生活がうまくはまっていくと、きっと幸せな方向に進んで行けそうな気がします。わたしにもまだ何かあるかな。
今日はここまで。
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