部活の帰りにみんなで駅まで歩く。
自転車通学の子も一緒に駅まで自転車押して歩く。
「きょーさーめっちゃ辛かったわー」
「おまえらもっと真剣ににやれよ」
「○○先輩、今日すごかったですよね」
「最後、すごくなかったですか?」
「おしゃべり多かったぞ」
「わたし先輩に勝ったしー」
と、それぞれ。お互いの返事なんか聞きもせずに、いいたいことをだけを喋りながら歩く。暑さと部活動の疲れで息を切らせながらしゃべる。しんどいからしゃべらなくてもいいのに、なんだか勢いでしゃべる。弾んだ空気。
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部活で汗かいたのに、また汗をかく。
わたしは大量に汗をかく人だ。
顔や首や胸だけでなく、背中からも太ももからも、汗がしたたっているのがわかる。
普段はほとんど汗をかかないK先輩の白いシャツも、今日はちょっと汗ばんでいる。
K先輩はいつも長袖。
でもほとんど汗をかかない。かいているように見えない。
どことなく上品に見えるK先輩。
聞くところによると、お父さんは研究者で、お母さんは芸術家で、お姉さんもきれいなお姉さんで、どうやらおぼっちゃまらしい。
まくっている袖から出ている腕に、静脈がうっすら浮き出ているのが見える。
うん。
なんかいいなぁ。
わたし腕・手フェチだから。
駅近くにあるいつものお店で、みんなとジュースやアイスを買う。
じーっとアイスケースの前でアイスを眺めていたら、K先輩が隣に来て小さな声で言う。
「アイス食べるの?」
「あ。は・・い」
「ぼくも買うから一緒に食べよう」
「え?」
K先輩を見た。
K先輩はまっすぐアイスケースだけを見ていて、わたしのほうは少しも見ていなかった。
「どれにする?」
「あ。じゃ、これ」
夏の部活帰りに先輩におごってもらうアイス、ナイス!
「え?これ?」
「え?はい・・・」
先輩が手に取ったのは
「こっちにしない?」
無理だー。
この暑さでハーゲンダッツバニラは無理だーー。
せめて爽でしょ。
K先輩少し気になっていたけど、無理かなー。
こっちのファミリーサイズにしておけばネタになったのかな。
今週のお題「アイス」
恐るべし 井村屋のやわもちつぶあんミルクアイス - おうつしかえ
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