鰹節が好きです。
出汁(だし)が好きです。
小さいころわが家では、鰹節を削って使っていました。
刃がついた鰹節削り器。
それを使って、鰹節の固まりを削るのです。
鉋で木を削るように薄くきれいには、なかなかできません。
小さいころは親が削っていましたが、のちにそれはわたしたちの役目になります。お味噌汁用、煮物に入れる用、お浸しにかけるよう、うどん用。
固いので力を入れないと削れません。なかなか上手く削れませんし、手が滑ると刃で手を切ります。
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でも、台所の床に座り込んで、しゃかしゃかと鰹節を削るのは好きでした。書道をする前の墨汁すりと同じような感じでしょうか。無心になって削りました。
下についている小さい引き出しを開けてみると、思ったよりもたくさん上手に削れていることもあれば、がっかりするほど少ししか削れていないこともあります。
「ねぇ。これでいい?」
「ああ、もうちょっと削ってね」
ということもあれば、
「これで足りる?」
「なんでこんなに削ったの!!そんなにいらないわよー!」
と言われることもありました。
不揃いだし、売っている鰹節のようにきれいにはできませんが、削った鰹節は味が濃いのです。そして、削っているうちにあたりに漂う鰹節の香りが好きでした。
「そのままかじったらおいしいだろうなー」
と、削って小さくなった鰹節のかけらをもらったことがあります。
なめてみると濃厚な鰹節の味がします。でも固い。固すぎてかじれません。先のほうをくわえて、前歯でこすったり、ちゅぱちゅぱしているうちに疲れてしまって、ラップに包んで冷蔵庫に入れて、またちゅぱちゅぱして、を繰り返しているうちに飽きてしまうのと「いい加減に捨てなさい!」と叱られて捨ててしまいました。
☆
一人暮らしをするときに父に鰹節削り器をもらいました。
何年もまったく使いませんでしたが(炊飯器すら使いませんでしたからねー)、捨てずに持っていました。のちに、本節を買って、自分でも削って使うようになりました。
先日、片付けをしていた母に「鰹節削り器いらない?」と言われたので、「持ってるよ。お父さんにもらったのがあるよ。お母さんは使わないの?」と言ったら
「え?いちいち削ってるの?面倒だし、買ったほうが全然早いじゃない ┐(´ー`)┌ 」
お母さん。
本当に言うこと変わったよーーー (⌒▽⌒;)
☆
24時間テレビは見てないのですが、「はなちゃんのみそ汁」で鰹節を削るシーンがあったようですね。
鰹節削り器は、冬におうどんを作る時に使うことが多いので、ここ最近、特に夏場はあまり出しませんでしたが、久々に出してみました。
もう、何年も使っている鰹節削り器です。
削るのはこういう鰹節。
腹節のほうが背節よりコクがあるので、うどんつゆなどにむいているということですが、わたしはどちらもこだわらず使ってしまいます。とても長く使えますから、両方揃えるのは無理ですし、どちらにしても味はしっかり出ます。
削ったあと、上の刃の部分を外して、下に落ちきらなかったものもトントンと落とします。
おお!いつになくいい感じで削れました。
鰹節も最後のほうになると、粉みたいになっちゃうのですが。
☆
お浸しにのせるにはしっかりしすぎています。
あのほんわかひらひらした鰹節を望むなら、よほど刃のお手入れや、本枯節の種類、削り方にこだわらないと難しいと思います。
母曰く「お浸しにのせるなら、鰹節パックがいい」です。
以前は削り器を手に入れるのも大変だったそうですが(父もわざわざ買いに行ったらしい)いまはamazonや楽天でも手に入ります。
刃を研ぐ店が近所で見つからないので、新しいものを買ってしまおうかと思ったり思わなかったり・・・
削った鰹節はその日に使い切ります。
残った本枯節は、引き出しの中に入れて収納できるのですが、ジップロックなどに入れて冷蔵庫(冷暗所)保存したほうが、虫が付いたり黴びなくてよいです。
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今日はここまで~
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