料理が出てくる小説の中で貴重な長編です。
主人公は明日羽(あすわ)。式場も予約した、仲人も頼んだ、友人に結婚式の日取りも知らせた、というまさに結婚式直前に婚約者から別れを切り出されるところから話は始まります。
人生は自分の気持ち一つで変わるんだ!
結婚式直前に婚約を解消された明日羽(あすわ)。傷心の彼女に叔母のロッカさんが提案したのは“やりたいことリスト"の作成だった。自分の気持ちに正直に生きたいと願う全ての女性に贈る感動の物語。
序盤で引き込まれました。
こんなことが書かれていました。
もしも大事な話をーそれもよくない話をーされるなら、食事の前がいいか、後がいいか。
しばらく、自分の答えを探しました。
わたしは後がいいな。
やっぱり。
[広告]
その時の食事の思い出が、結果的に悲しくつらいものになったとしても、食べているときの味はわかるし、その味がつらい思い出があとから食事と合成されたとしても、それでもやっぱり、食べる時にはおいしく食べたと思うだろうから。
よくない話、いやな話は、いつでも嫌には違いないですが。
いや、食事の前なら食べずに話だけ聞いてわかれるってこともありますね。そういう選択ができる食事の前ならいいんですが、そうじゃないシチュエーションだったら、食の前は最悪。やっぱり後がいいな。
ところが実際には「前」でも「後」でもなく、食事の途中ということも地獄もあるわけで。しかもこのパターン意外とありがちで。これはもう本当に勘弁してー逃げるわけにもいかないしーという事態、まさにこれです。
食べ物が出てくる小説は、食べ物に勇気づけられるという展開も多いのですが、この話もそのような感じで進んでいきます。彼から告げられた婚約破棄で吐きそうになり、食べ物の味がわからなくなってしまうくらいの衝撃をうけた明日羽が、その後、それでも食べ物を通じて、もちろん食べ物だけじゃないんだけど、人々の気持ちや、自分の気持ちの切り替えで、だんだん救われていくという話です。
ちょっと立ち止まってしまった人や、自分を変えたい人におすすめかな。何かヒントにはなるかもしれません。
とはいえ、真っ暗な穴に落ちている人がこれを読んだら、逆にあすわの恵まれ具合と、自分とを比較して、悲しくなるかもしれません。
あすわは職場でも自分からは線を引いて、できるだけ深く付き合わないようにしたり、ものごとを深く考えずに来ています。そして、こんなことになってしまって、自分を見つめ直すわけですが、きっといい子なのでしょう。もしかしたら、これが普通の子なのかな。どうでしょう。
周りには着かず離れずに見守ってくれる叔母のロッカさんがいたり、小さいころからの友人の京が心配して部屋に上がり込んでくれたり、それほど親しくなかった同僚の郁ちゃんが「あすわとは仲よくなれそうだってこと。初めて会ったときにピンと来たよ」なんて言ってくれちゃいます。すぐ他の男性にも一目惚れだってされちゃう。
そこを己と比べてみると、ちょっとため息です。
そのあすわの恵まれ具合は、ちゃんとお話の中でも言われています。
「あすわ、自分がどれくらいかわいがられてきた、考えたことある?」
このあとのセリフはちょっと刺さりました。うぐうぐうぐ。そうだよね。そうなんだよね。きっと。(このセリフは書かないので本を読んでみてね)
試行錯誤しながらあすわは自分の道をもう一度、いや、初めて見つめ直して、感謝と希望を見いだします。
豆のスープが猛烈に食べたくなって
豆は好きです。豆料理が好きです。
だがしかし、 ここ最近、ちょっと自作からは遠ざかっていました。
これも豆から煮たわけではないですが↓↓
また豆料理作りたい!!と思いました。
乾燥ひよこ豆もまだあるはずですし。
うーん。まだそこから作るほど体力ないかな。
「あすわ、毎日のご飯があなたを助ける。それは間違いのないことよ」
これはあすわのお母さんの言葉。
そうだと思います。
毎日作る。
作って回す。
作って食べることで毎日を回す。
食べられるうちは大丈夫だし。
食べることで救われることもあるんですよ。
もうちょっと元気になったら作りましょう。
いや、作れるようになったら元気になった証拠かな。
今日はここまで。
[広告]
■合わせて読みたい