ビニー / 信じる男。
原題は「Bleed for This」
2017年7月21日公開
「ビニー!パジエンザ!! 」
コールの時はパジェンサというよりもパジエンザ。
Vinny Pazienza だからね。
カッコいいです。
カッコいい映画です。
曲が開演前から流れていて、いい曲だな~と思っていましたが、映画が始まってからも、これが映像とマッチしていてカッコイイ!最初のほうなんかギャング映画みたいなノリで気持ちが沸き立ちます。
マーティン・スコセッシ監督。
主演のビニー・パジェンサはマイルズ・テラー。
ビニーのトレーナーのケビン・ルーニーはアーロン・エッカート。
主人公のビニーはロードアイランド州出身の自信家のボクサー。ケンカ殺法的なボクシングスタイルだけど、スーパーライト級チャンピオンのロジャー・メイウェザーに滅多打ちされ敗北。プロモーターから引退勧告されて崖っぷち。
そうなんだよね。いくら実力がある!と言っても、プロモーターに試合をさせてもらえなければ絶対に勝つことはできないわけです。
そこで、厄介払いとばかりに紹介されたトレーナーのケビン・ルーニーに会いに行きます。ケビンはマイク・タイソンの元トレーナー。実力はあるけれど首にされちゃって飲んだくれ。
渋々という感じでビニーと会ったケビン。お互いに干された同士というヤサグレ感もありますが、ビニーはまだやれる!俺はやれる!と闘志まんまん。
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ケビンはビニーの階級を二つ上げることを提案します。ビニーは「いつも減量だ!って言われるのに?いいの?上げちゃっていいの?」と半信半疑。ケビンの話を聞き、階級を上げ、トレーニングを積んでいきます。
崖っぷちの試合は何とタイトル戦!世界ジュニアミドル級チャンピオンのフランス人ボクサーのジルベール・デュレとの試合です。しかも地元で。負けたらもう後はない。だけど、これ以上の復活の舞台もない、という試合でビニーは勝ちます。フランス人ボクサーのジルベール・デュレを下し、世界ジュニアミドル級チャンピオンになります。
そして、その試合の直後、自動車事故です。
首を骨折です。
首ですよ。
首。
歩けるかどころか、命にも関わる大怪我です。
医師は脊椎を固定する手術を勧められますが、その手術をしてしまうと二度とボクシングはできません。でもその手術以外では歩けないかもしれないし、もしかすると命に関わる可能性もなくはないのです。結局ビニーはボクシング選手として再帰の可能性が少しでも残るリスクの高いハローという脊椎固定手術を受け、頭蓋骨に穴を開けてビスのようなもので固定をする輪っかを半年間も頭の回りに付けて過ごします。
一人でトレーニングを再開
家族や友人が労ってくれるものの、ビニーは満足できません。ボクシングをあきらめることはできません。一人で再起に向けてトレーニングを始めます。うわぁああああ。ベンチプレスをやろうとするんだけど、ほら、頭に輪っかついてるでしょ。それがカツンと当たって、いたたたたたたたたたたたた。痛ぃいいいいいいいい。でもビニーは諦めません。
初めは反対していたケビンも協力してくれるようになり、二人三脚でトレーニングをすすめます。そしてビニーを見放していたプロモーターも「これは金になる!」とばかりに、試合を組んでくれます。相手はスーパーミドル級チャンピオンのロベルト・デュラン(エドウィン・ロドリゲス)。もちろん勝てればこの上ない再起の舞台です。
公式サイトはこれ。
これ実話なんですよ。
事故に遭っても自分の目指す道を信じて努力を重ねていくビリー。ちょっと傲慢だったチャンピオンが、自分への前向きな気持ちはそのままに、家族や他人への感謝をし復帰のタイトル戦までトレーナーと努力していく実話の映画化です。
こんなすごい話がタイソンの後の近い過去にあったのか!という驚き。
ビニー・パジェンサは現在もお元気そうでツイートもされています。
実話ですから調べると、その試合の結果なんかはわかってしまうので注意。
首
首ですよ...首...わたしは首が弱くて、トレーニングの時なども首をかばってやっています。だからもう首が...首が...と、心の中できゃーきゃー言いながら見ていました。医者も周りも「やめたほうがいい」「別の人生を」というのは普通で、それを気持ちでくつがえしていいものかどうか、医学的にそれはありなのか、どうか。
でもビニーは納得できなかったわけです。
別の人生もあったかもしれないけど、「まだやれる」と。
自分が納得するまでやってみること、そこなのかな。信じる人と信じない人を見極めて付き合うことも大切だし、家族の支えはやっぱりすごい。
最近めっきり後ろ向きな思考なわたしも、映画を見終わって「前向きに生きていきたい」と思いました。(←単純~)
主人公のビニー役のマイルズ・テラーもとてもよかったし、トレーナー役のアーロン・エッカートは最高だった。
え?アーロン・エッカートだよね。わたしの大好きな「幸せのレシピ」のニックだよね。「ハドソン川の奇跡」でトム・ハンクスの隣に座っていた副操縦士だよね。あの頭は?って、ちょっと、ふふってなりますけど。
ラストに当時の映像も流れますから最後まで観てください。
あーボクシングやりたいなーー。
と思ったところに
上映後のトークショーに女子プロボクサー第6代WBC女子世界ミニフライ級王者。初代WBC女子世界アトム級ユース王者の黒木優子 登場。トレーナーとの相性もだいじ、というお話が映画にも通じてよかったです。かわいくて、うわーうわーってなりましたが、やっぱりすごい闘争心。そうだった。わたしは痛いのが嫌いだったわ。と、冷静に己を振り返ったところで
今日はここまで。
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