クロッシング・ライン ヨーロッパ特別捜査チーム
シーズン1は見逃してしまったドラマ。いつもは途中のシーズンから見ることはしませんが、シーズン2から何となく見ていたらはまりました。
製作総指揮・脚本は、「クリミナル・マインド」の鬼才エドワード・アレン・バーネロ!ウィリアム・フィクナー、ドナルド・サザーランドら実力派俳優陣の豪華共演!多発する国際事件と過去の事件が交錯し、彼らの前に悪の闇が立ちはだかる!新たなメンバーを加え、事件解決に奔走する特別捜査チームの組織力が今、試される
まず言っておきますが、このドラマは
- 画面が暗い
- 話が暗い
です。
アメリカのドラマっぽくないです。
EU系のドラマかと思いました。
さらに
- 出演者に華がありません。
オーラはびんびんにあるけど。
主要メンバー全員が、悪役で出ていてもおかしくないです。
(悪役大好き!ですが)
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ウィリアム・フィクナー
カール・ヒックマンはプリズンブレイクのウィリアム・フィクナー
どこか心に弱さを抱えている、そんな演技が光る俳優さん。
この人に、暗い過去があってちょっとひねくれているけど、本当は優しくて善良な人をやらせたらピカイチです。ちょっと病質な感じも合います。
今回もそんな暗い過去を持つ元ニューヨーク市警 重要事件捜査班の刑事で、怪我をしたり上司に裏切られたりして辞職し、モルヒネにはまっているところを拾われるという役です。
ドナルド・サザーランド
お髭のおじいちゃんで貫禄があります。
クロッシング・ラインではシビアだけど良識派で話のわかる上司ですが、ダーティー・セクシー・マネーでは、なんだか後ろ暗いのにいい人そうな演じている黒いおじいちゃんという役でした。そういえばダーティ・セクシー・マネー、セレブな話で面白かったけど、シーズン2で終了だったのですね。シーズン2は見てない気がする。どこかで放映されたかなぁ。Super! drama TV | Dirty Sexy Money
そしてこのドナルド・サザーランドは24(トウェンティーフォー)のキーファー・サザーランドのお父さん。うーん。キーファー・サザーランドのほうがマイルド顔かな。
他の出演者はあまり馴染みがないので新鮮です。
ストーリーについて
ヨーロッパの国境を越え、凶悪犯罪に挑む特別捜査チームの活躍を描く本シリーズは、2013年6月に全米ネットワークNBCで放送スタートされたばかりの最新のクライム・サスペンス!国籍も、専門分野も異なる各国の精鋭ばかりが集められた特別捜査チーム。
近年、EU(欧州連合)の設立により、開かれた国境、貿易、文化の影で、凶悪犯罪の国境もその境界を破られていた。
多発する国を越えた犯罪。負の産物として増加の一途をたどるこの現状に、特別捜査チームは結成され、自身の持つ能力を最大限に活かし、ヨーロッパを恐怖に陥れる凶悪犯罪者に制裁を加えていく
ヨーロッパを股に掛けて捜査できる特別なチームだというのに、扱う事件は意外と小さい感じ。いくつか複線的に引っ張るテーマはありますが、基本1話完結なので、事件も庶民的な感じなものが多いです。国家機密とか、大規模テロという感じではありません。ストーリー的にはどうかと思うけど身近に感じますし、わかりやすいのは確か。実際にもそういう事件は多いでしょうし。
見ていくとどんどん引き込まれます。
そして、これを見ていると
ああ、日本は島国なんだな。
ああ、ヨーロッパは地続きなんだな。
と思います。
ヨーロッパやアメリカのドラマの中には民族間のことや人種について描かれているシーンも多いです。そこがとても興味深いです。世界史の勉強は怠っていましたし、その後も過去の歴史にも、現在の情勢にも詳しくないのですが、テレビドラマの中で、そういった民族間・人種間の対立についてちょこちょこ出てくるエピソードは勉強になりますし、興味喚起になります。
人種・民族間のこと
第8話「家族」
Family TiesICCチーム本部ではトミーの30歳の誕生日を祝っていた。トミーは誕生日を喜ばないが、皆の善意に心を開く。一方、ロンドンでは麻薬を摂取していた若者が次々に出血して倒れる事件が発生。ロンドン警視庁の捜査で、麻薬はカレーから入って来たと分かる。レノン警部はICCチームに捜査協力を依頼。しかし警部は、被害者中にアイルランド人がいるとして、トミー1人がロンドンに向かうことになるが…。
この回はアイルランド人のロンドン北部 漂泊民のキャンプで麻薬が製造されているのではないかという捜査。
チームの一人であるトミー・マッコ―ネル(リチャード・フラッド)は、まさにそこの出身。スコットランドヤードに名指しされて捜査に向かうのですが、目の敵にされます。
ロマ族に興味が起こされたのもテレビドラマ。
ザ・ファインダー
ロマ族の少女との交流と葛藤がありました。
(注意)ここから8回のネタバレというかストーリー書きます。
スコットランドヤードのレノン警部は妻をテロで亡くしていますが、その犯人の逃亡を手助けした漂泊民を憎悪しています。
「連中を知らないんだ。人と呼びたくもない」
怒りのあまり言葉を選ばずののしるレノン警部。
それを制止して二人で話そうとするミヘル。
ミヘルとレノン警部は長いつきあいなのです。
二人になってからミヘルは言います。
「目の前の男が誰だかわからん」
「説明する」
「いや。先ほどのセリフに説明などはない
聞くに堪えない
獣だと?
そういう態度や価値観と私は闘ってきた。
その考えかたのすぐ先に-
あるんだ
ガス室が
大量虐殺が」
なぜそこまでミヘルは18人も殺した犯人の呼び名にこだわるのか。
それはミヘルの生い立ちが関係していました。
8人兄弟の末っ子であるミヘルは、7歳の誕生日をポーランドで祝うはずだったが、町はドイツ空軍の攻撃を受け75%が破壊された。この武力侵略が事実上、第二次世界大戦のひきがねとなり、彼は自分の誕生日を憎んでいる。その後、家族と共にフランスへ亡命。終戦を迎えた後、国際刑事裁判所に勤務し、戦争犯罪者を追跡することに人生を捧げている。ルイのチームと国際刑事裁判所とのパイプ役であり、捜査に必要な権限を裁判所に請求する役目を担う。
シーズン1には詳しく描かれていたのかもしれないですが、なるほど、だからここでミヘルは怒ったのですね。
事件が解決してから、ミヘルとレノンは再び話します。
「それで気分はいいか?
痛みは消えたか?」
「なんだって?」
「消えまい
消えるはずがない
許したときにのみ
痛みは消えるんだ」
絶対に許せないというレノンにさらにミヘルはいいます。
「自分自身を許せ
そこからすべて始まる
本当だ」
許せないことを許すことは
相手を許すのではなく
自分を許すこと
そこから何かが変わったり
何かが始まってくる。
そんなことを考えました。
とてもいい回でした。
今日はここまで。
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