友人が「梅酒作ったから税務署に届け出てきた~」と言っていたので、あれ?っと思って調べてみました。
お酒を勝手につくって勝手に売ってはいけないことはご存じだと思いますが、それは酒税法という法律によるものです。
この時期、梅酒や果実酒を作る人も多いですが、自宅で楽しむために作る梅酒などは酒税法の対象になりません。
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*1【自家醸造】
Q1 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。
A しょうちゅう等に梅等を漬けて梅酒等を作る行為は、酒類と他の物品を混和し、その混和後のものが酒類であるため、新たに酒類を製造したものとみなされますが、消費者が自分で飲むために酒類(アルコール分20度以上のもので、かつ、酒税が課税済みのもの*2に限ります。)に次の物品以外のものを混和する場合には、例外的に製造行為としないこととしています。
また、この規定は、消費者が自ら飲むための酒類についての規定であることから、この酒類を販売してはならないこととされています。1 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ
2 ぶどう(やまぶどうを含みます。)
3 アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす
根拠法令等:
酒税法第7条、第43条第11項、同法施行令第50条、同法施行規則第13条第3項
梅酒をアルコール度数20度以上のお酒で作って、自分で飲むのはよいわけです。
安心して、たんと作って、たんとお飲みなさい。
お酒を作って売るには酒類製造免許が必要
お酒を作って売るには酒類製造免許が必要です。
つくった梅酒などを勝手に売ってはいけません。
オークションなどに出品してもいけません。
「じゃ、免許とればいいのね!」
ということですが、一定の量を作らないといけません。
法定製造数量[編集]
酒税法第7条第2項において、種類別に1年あたりの最低製造見込数量(法定製造数量)が定められている。免許取得後1年間に製造しようとする見込数量がこれに達しない場合は、免許を受けられない。また、実際の製造数量がこれを3年間下回ると、免許取り消しとなる。
清酒 - 60キロリットル
合成清酒 - 60キロリットル
連続式蒸留しようちゆう(甲類) - 60キロリットル
単式蒸留しようちゆう(乙類) - 10キロリットル
みりん - 10キロリットル
ビール - 60キロリットル
果実酒 - 6キロリットル
甘味果実酒 - 6キロリットル
ウイスキー - 6キロリットル
ブランデー - 6キロリットル
原料用アルコール - 6キロリットル
発泡酒 - 6キロリットル
その他の醸造酒 - 6キロリットル
スピリッツ - 6キロリットル
リキュール - 6キロリットル
粉末酒 - 6キロリットル
雑酒 - 6キロリットル
一定の量・・・かなり作らなくてはいけないのです。
6キロリットル
6000L なんだかいけそうな感じ?
要件としては一定の量を作る、ということで、販売については言及されませんが、もちろん作ったお酒は売りたいわけですから、売れないお酒をただただ作る、ということは現実的ではありません。
どぶろく特区など、1年間の製造見込み数量が6キロリットル未満であっても酒類製造免許を取得することが可能な地域もあるようです。
特定農業者による濁酒の製造事業(酒税法の特例)
構造改革特区の取組み: 酒税法の特例 (自家製濁酒製造) - 岩手県遠野市
酒類製造免許がなかったら振る舞えない?
友人のおうちは旅館をやっています。
お客様に梅酒を提供するのですね。
旅館ではもちろんお酒を提供していますが、酒類製造免許は持っていません。
作った梅酒をお客様に提供するための特例措置が、平成20年4月30日に設けられていました。
旅館等で自家製の梅酒を食前酒として提供することに問題はありますか。また、何か手続きは必要ですか。
旅館等を営む者が宿泊客等に提供するため、当該旅館で酒類に他の物品を混和する場合等、次のすべての要件を満たすときには、例外的に酒類の製造に該当しないこととし、免許や納税等が不要となる特例措置が平成20年4月30日より設けられています。
届出は
営業場の所在地を所轄する税務署長に対して「特例適用混和の開始申告書」を提出する必要があります。
ということで、自家製の果実酒を提供するために税務署に届け出たのですね。
なお、この特例措置は、この酒類を混和した旅館等において飲食時に宿泊客等に提供するために行う場合に限られ、例えばお土産として販売するなどの譲り渡しはできないこととされています。
あくまでその場で提供するためだけで、お土産やボトルでの作った梅酒の販売はできません。
あーすっきりした。
何の役にも立たない中途半端な情報で申し訳ない気持ちでいっぱいですが
今日はここまで。
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