おうつしかえ

ブヒブヒ言ってるだけです。誰も恨んでいません。

オール・イズ・ロスト 最後の手紙[映画]あきらめない静かな老人ロバート・レッドフォード

ふと見始めた映画。

オール・イズ・ロスト。

 

一緒に見始めた人が15分で

「あーこれ無理だ。面白くない。見ない」

と、やめてしまったので、翌日一人でじっくり観ました。

 

出演者はロバート・レッドフォードのみ。

彼が主人公で、唯一の出演者。 

 

そして76歳。

 

若かりし頃のロバート・レッドフォードを見ている人は

「ああ、おじいちゃんになっちゃったな」

と、感慨深いものもありそうです。

 

allislost.jp

 

スマトラ海峡から3150キロ沖。“すべて失った……すまない”という男のつぶやきが響く……。

ことの起こりは8日前。インド洋をヨットで単独航海中の男は水音で眠りから覚める。気が付けば、船室に浸水が。海上を漂流していたコンテナが激突し、ヨットに横穴が開いてしまったようだ。航法装置は故障し、無線もラップトップも水浸しで使い物にならない。しかし、この災難は始まりに過ぎなかった。

【公式サイト】映画『オール・イズ・ロスト~最後の手紙~』│第71回ゴールデン・グローブ賞 主演男優賞・作曲賞(ドラマ部門)ノミネート!

   

セリフも覚えている限りは一言のみ。 

いつ、しゃべるのか、

いつ、他の人が出てくるのか?

 

 わたしはこの映画から目が離せませんでした。

 

迫り来る自然の驚異に、淡々と向き合う男。

 

乗っているヨットに水が入ってきても、嵐に巻き込まれても、海に投げ出されても、頭を打ち付けて流血しても、その都度それに向き合い対処していきます。ちっとも派手さはないんだけど、お前はスーパーマンか!と思うくらいすごい。

 

しかも、あの年齢よ。どう見ても若くないその肉体で、自然から次々に繰り出される攻撃にあきらめることなく対処していく-すごい。わたしにとってはどのシーンにも「退屈」という文字はありませんでした。

 

そもそもわたし、サバイバル映画好きだしな...

 

海は大好きで、以前は海に行くことも多かったのですが、海怖い。あなどっちゃいけない。多分ヨットで長期間とか絶対無理。浜から遠く離れた海はいろんな顔を見せるので、やっぱり海は怖い。底知れぬ恐怖。

 

海の中からボートを見上げるカットがあって、それがまた、美しいやら怖いやら。

 

セリフはないし、獰猛なサメも出てこないし、美女も出てこないけど、じっくり映画を見る人にはおすすめの作品です。

 

 

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ここからネタバレありますー

 

「船が通っても助けてもらえるとは限らないのよ」

 

ハリウッドアクション映画なら、間違いなく最初の船で救われるはずだし、そうでなくても次の船で救ってもらえるはず。

 

「え?船戻ってくるよね?船戻ってくるよね?一瞬イッチャッターって思わせるだけで、結局戻ってくるよね?」

 

戻ってこないのです。

あれはどれだけ心折れるだろうか。

 

悲しい。

 

そして、ラストシーンです。

見たくない人は、ここで「ソッ閉じ」ですよ。

 

 

万策尽きて、彼は広い海に浮かぶことになります。

身1つで。

彼を助けてくれるものはもう何もない。

 

もう広い海でやるべきことは何もない。

やれることは全てやった。

 

それでも泳ぐ。

 

そしてとうとう力尽きて、深い深い海の底に沈んでいきます。

 

海中から見上げる海面。

自分の乗っていた救命ボートが輪になって燃えています。

 

どんどん沈んでいく男の体。

 

そこに明かりが。

別のボートからの明かりが見えます。

 

男は海面に向かって、上を目指して泳ぎます。

 

さしのべられる手。

男は手を伸ばしてその手をつかみー

 

ハッピーエンド。

救出された。

 

と、いうレビューもあるようですが、わたしはこれは、彼の心の映像で、彼の魂が死後に救われて上昇していくということではないかと思いました。

 

つまり助からなかった。

 

どこまでも救いのない話になるので、最後を見る側の判断に任せたのではないかと。

 

多分昔だったら、小さいときにみたら、「助かったんだよね。あれは助かったんだよね。よかったねーそうだそうだ!あのあと陸に上がって、家族に会って幸せになったんだ!」と思ったと思います。

 

でも、今はそうは思えない。

どうなんでしょう。

 

今日はここまで。

 

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