8月11日は山の日でしたね。先駆けて夏休み発動!となった人も多いのかと思いますが、わたしの今日は平常運転です。
最近、コミックを読みまくっていまして。
話題になって読みそびれていたコミックや、途中で挫折してしまったコミックや、1巻無料!などで試し読みして気に入ったものなどを読みあさっています
で、岳です。
山岳遭難防止対策協会のボランティア島崎三歩と山と三歩をとりまく人の話です。
秋の北穂高岳。登山中の中年男性・黒岩が、雪に足をとられて崖から転落、腕を骨折して動けなくなってしまった。山麓の警察署では下山時刻が遅れていることから、山岳遭難防止対策協会のボランティア・三歩に救助を要請することに。見かけは頼りなさそうな三歩だが、ヒマラヤや南米の山を歩いてきた経験豊富な救助員で…
他のコミックもいくつか平行して読んでいるのですが、気持ちが「へこ~~~」としたときに読むと元気がでる作品でした。あれ?なぜかな?
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トーンは明るいですが、山の話ですから話は厳しく死体がたくさん出てきます。え?そんなに簡単に助からない話が出てきちゃうの?と、最初はびっくりしたのですが、山での遭難死亡事故は長野県の統計で平成27年で58名。
(表紙が三歩だ~。)
わたしは山には何の知識もありませんし、今まで登ろうと思ったこともほとんどありませんし、多分これからもないのではないかと思うのですが、それでもこの作品を読んで、ちょっと山に行きたくなりました。
部屋の中で読んでいるわたしに、山の厳しさと人の暖かさなんかがどしゃどしゃと降り注いできて、いろいろ考えていたことなんかが、何だかどうでもよくなるような感じで、何かを吹っ切るために山に行くとか、山に悩みを捨てに行く、ということではなくて、単純に山を感じてみたい、山を楽しんでみたいです。そう思わされました。
強く優しく
島崎三歩は強い人です。強いから人にもやさしくできる。底抜けの優しさは人にうつるし、底抜けの笑いも人にうつります。三歩のように強くない人でも頑張って人に優しくしようと思えてしまう。三歩はそんな人です。
眉間に皺を寄せて人を非難しているよりも、人に優しくありたいなぁ。わたしは強くないけれど、ちょっとだけ頑張って、今が大変な人に優しくしてあげたいなぁ。
そんなことを思いました。
良く頑張った
三歩の口癖
「良く頑張った」
何もかもが自分の責任で、もうこの場にいられない、と思いつめている人。その人に「良く頑張った」と言うこと。それを言われたときの安心感は計り知れないし「生きていてよかった」「生きていこう」と思うでしょう。
そう。他の細々としたことはあとから対処すればいいの。
子どもや家族や同僚や部下が大きな失敗したときも、その失敗が大きければ大きいほど、相手が萎縮していればしているほど、まずは安心してもらう、それはどういう立場でも場面でも必要なことなんじゃないかな、と思っています。
子どもが走り回ってガシャンと何かを割ってしまったとき、部下が大きな失敗をしたことがわかったとき、いきなり叱りつけることもあるかもしれません。でもまずは安心させていいんじゃないかな。
怪我はなかったか。お前は大丈夫か。よかったね。がんばったよね。と。
日頃そんな風に考えていても、雪山での他人の身勝手な行動のようなことだったら、長野市内北部警察署の山岳遭難救助隊員の久美のように怒ってしまうかもしれません。それでもやっぱり「良く頑張った」「生きていてくれてよかった」と言える人でいたいです。
意識するのはいいけれど捕らわれすぎてはいけない
最終巻の一巻手前の17巻で、オスカーが遭難した8人の話をしてくれます。
(読みたくない人はソッ閉じ)
手記によると、その時 彼らは皆、ある思いにとらわれていた。
自分達は死ぬのか、生き残れるのか。
風は止むのか。止まぬのか。
山から脱出可能か、不可能か。
生か・・・・・・
死か・・・・・・
結局、寒さと不眠で彼らは衰弱してしまい、8人全員嵐の山で命を落とした。
その時同じ山で一人で嵐をしのいでいた三歩は無事生還。後日カールが三歩にその時に何を考えていたかと聞くと
動けないな、とか。
寒いなぁ、とか。
あとはなーんにも、なーんも考えてなかったねえ。
行動する前の準備や、行動することに関しては考えて慎重にやるべきですが、自分の力ではどうにもならないことをあれこれと気に病んでいても、それは何かを消耗していくだけなんですね。
最近のわたしはどうもそういうループに陥ってしまっていたような気がします。できないこと、できてないこと、足りないことばかりにとらわれていました。アカンアカン。現在の不遇をなげいたり、自分の不出来、力不足を悔やんだりしても、それは自分で自分を消耗させていただけなんだと。消耗でさらに消耗する感じ。イカンイカン。
こんな感じで、ちょっとだけ考えを切り替えられそうな気がしています。とはいっても、あまりにもこのところ心の闇が深かったので、うっかりすると、またそっちの闇に落ちていきそうな事もあるのですが、忘れそうになったら自分で書いたこの記事を読み返して、消耗しないようにして次の機会に備えたいと思います。
うん、大丈夫。
わたし頑張っていたよ。
いまは雪洞で何も考えずに待つ時期なんだよ。
三歩の好きなコーヒー。
おいしいコーヒー飲もうかな。
最終巻、最終話は
多分そうだよなぁ。そうなるよなぁ。終わりはそうだよなぁ。と思った通りで、しばらく頭がじわ~んとしていました。ありがとう三歩。
今日はここまで。
(観てないけど映画化もされてるよー )
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