ティファニーで朝食を。
トルーマン・カポーティ。
村上春樹 訳です。
そして、この装丁の色合いがとてもわたしは好き。
ミントチョコを思わせます。
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映画ではオードリー・ヘップバーンの主演。
ローマの休日と並び、日本で大人気。
名作。
「ティファニーってレストランだと思っていたのよ」
こんな話をおばちゃんやおばあちゃんから聞くのも何回目かしら。
「ティファニーはね、ニューヨークに本店を持つ宝石屋さん」
映画は何度か見ましたが、原作は未読でした。
だって、映画で全然いいんだもん。
ラストシーンはともかくとして、途中までは圧倒的に映画がいいので、映画で完成されたと思っていたのです。
が、以前チェコ好きさんの記事を読んで
これは読まねば、と思った次第です。
とはいいつつ、チェコ好きさんの記事を忘れるくらい時間が空いてから、やっと書籍を読みました。
「ティファニーで朝食を」を読み終わって思ったこと。
村上春樹の香りのする「ティファニーで朝食を」でした。
ちょっとした言い回しやリズムに、村上春樹の香りがしてきます。村上春樹が好きな人ならこの本もお薦めです。好きでない人にもおすすめです。
ああ、わたしは小説の中のホリー・ゴライトリーが好きだ。
小説の中のホリー・ゴライトリーはイカレてる。そして、はちゃめちゃで強い。落ち込んでも強い。がんばってがんばって、自分の正義の中でやっていこうと思って行動していく。骨太感のある美女。
はちゃめちゃで強いけど弱い。強いけど弱い。そして愛される愛らしさ。憎たらしい。妬ましい。でも愛らしい。
そして、
どこか悲しいホリー・ゴライトリー。
それが彼女が愛される所以なのだろう。
わたしもこんな風にはちゃめちゃで、みんなに愛されるイカレ女でいたい、と思ったり思わなかったり思ったり。
妄想空想の中で、わたしはホリー・ゴライトリーだ。
多分、幸せにはなれまい。
男たちは、彼女の危なっかしさや、脆さをかぎ取って「ああ、自分こそ彼女をどうにかしてあげないと」と思うに違いない。
ホリーからどこか危険な香りをかぎ取って去っていく人は、むしろ常識人なのかもしれない。
この猫の名前はまだない
ホリーは飼っている猫にも名前をつけることができない。
それは猫を所有することになるから。
いつか自分よりももっと幸せにしてくれる飼い主に出会って名前をつけて貰えばいいと思っている。
ホリーは何も誰も幸せにすることができないと思っているようにも感じられる。
誰よりも愛したいし愛されたいと願っているはずなのに、うまく噛み合わない。
それはまるで「時が追いついてこない」ような感じで。
◇
結末はせつなくせつない。
猫に名前はついただろうか。
わたしも猫に名前をつけられる人になれていればよいのだけど。
ハッピーエンドは難しいね。
今日はここまで。
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