「カルト村で生まれました[高田かや]」を読みました。ほんわかとしたイラストで描かれた著者の子どもの頃の体験記です。
カルト村としか書かれていませんが、ヤマギシ会のことですね。わたしはヤマギシ会についてはあまり知らずに過ごしてきました。
小さいころに食べ物にこだわりのあるおばさんがいる親戚の家に行った時、「これはヤマギシさんから分けてもらった卵だから安心でおいしいわよ」という卵を食べさせてもらった記憶があります。そうかー農業とかやっている会なのかーと思ったのが最初の記憶だと思います。
その後もヤマギシ会とは縁がなく来てしまいました。
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海外ドラマなどを見ていると、アーミッシュが出てきますが、大人になってからはヤマギシ会ってそんな感じかなと。
幸福会ヤマギシ会(こうふくかいヤマギシかい)とは、とは農業・牧畜業を基盤とするユートピアをめざす活動体。
「無所有・共用・共活」
社会主義、共産主義と通じるものがあるかな。この本ではその村で生まれ育った著者の気持ちや、著者から見た当時の村の仕組みが書かれています。
「平成の話とは思えない!」「こんな村があるなんて!」と、WEB連載時から大反響!!衝撃的な初投稿作品が単行本に!
「所有のない社会」を目指す「カルト村」で生まれ、19歳のときに自分の意志で村を出た著者が、両親と離され、労働、空腹、体罰が当たり前の暮らしを送っていた少女時代を回想して描いた「実録コミックエッセイ」。
〈カルト村ってどんなとこ?〉
●大人と子供の生活空間が別々 ●朝5時半起床で労働 ●布団は2人で1組
●食事は昼と夜のみ ●卵ミルクを飲ませられる ●お小遣いはもらえない
●すべてのモノが共有で、服もお下がり ●男子は丸刈り、女子はショートカット
●ビンタ、正座、食事抜きなど体罰は当たり前 ●手紙は検閲される
●テレビは「日本昔ばなし」のみ ●漫画は禁止、ペットも飼えない
●自然はいっぱい。探険など外遊びは楽しい♪
内容はこのように厳しいです。でも絵柄が可愛いのと、語り口調が明るいので、読みやすく、読み手に何か強いトラウマがない限り、楽しく読み進めることができるでしょう。
コミックの中では異様とも言える体験を著者本人がコミカルに語っています。
一般のわたしが読むと「えーーーーー!!」とか「それはちょっとっ!!」とか「ひゃー」と思うわけですが、その違和感はコミックの中で夫のふさおさんが代弁してくれます。そして、著者につっこんでくれたりもしています。
80歳になると、「老蘇」というグループのなかで悠々自適の生活を送るようになる。そこには、老後の不安はない。
ヤマギシの生活は子どもにとって過酷であることには違いないですし、人格や性格形成には大きな影響があると思いますが、巷の貧困世帯のことや、老人の孤独、食料自給率食糧難を思うと、やりかたや運営はともかくとして、もともとの理念については賛同される人もいるのでしょう。 わたしは幸せとは「選択肢の多いこと」だと思っているので、気持ちが沿いませんが。
続きの中等部の話の連載が始まっています。
こちらも単行本発行を楽しみにしています。
今日はここまで。
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