「きっと、星のせいじゃない。」を見てきました。
監督はジョシュ・ブーン。
主演はシャイリーン・ウッドリーとアンセル・エルゴート。
映画『きっと、星のせいじゃない。』予告編 - YouTube
原作は「The Fault In Our Stars」
主人公のヘイゼル・グレース・ランカスターは、ショートカットの可愛い女の子。
末期ガン。
すでに命の危機に陥ったこともあり、酸素ボンベも手放せず、学校にも行けず、一人で家にいるグレース。医師に診断された新たな病名は「うつ」。
母はそんなグレースを明るくガン患者の集会に行かせようとします。行きたくなーい行きたくなーいというグレースを何とか送り、グレースはいやいや参加することになるのですが、そのガン集会で出会ったのが、やはりガン患者のオーガスタス・ウォーターズ(ガス)。ガスは骨肉腫で片足をなくしてはいたものの、とても明るい行動的な男の子。
二人はお互いを意識し(いや、どちらも一目惚れに近いと思う)、お互いの家を行き来し、話し、笑い、スマホで連絡を取り合い、同じガン患者で失明寸前のアイザックを交えて、どんどん仲良くなっていきます。
グレースには大好きな作家がいて、その本(ガンの人の話しらしい)をガスに貸します。その本の唐突な終わり方に二人は満足せず、その後、遺された人がどうなったのかを何とかして知ろうとします。
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ここから少しのネタバレ、感想
グレースはガスの行動力で、作家に会いに行けることになりました。ただそこまでグレースの体が持つかどうか。家にはお金もない。態勢が整わないので医師も反対します。
親として娘に、末期ガンの娘に「お金がない」とあきらめさせなければいけないことはどれだけの痛みだろうか、と、夫婦の気持ちに思いを馳せていましたが、財団の「WISH」をガスが「二人で行かなくちゃ」と説得し、アムステルダムに行けることになります。
WISHは日本だとこれかな。
こういう展開になると、「ああ、難病ものだからね」「そうなるよね」と思うのですが、この映画はそんなに甘くない。
作家のピーター・ヴァン・ホーテン役は、スパイダーマンで悪役のグリーン・ゴブリンがとても素敵だったウィレム・デフォー。
これがとんでもない飲んだくれオヤジで、はるばる万難を排してアムステルダムまで来たにもかかわらず、二人は大変不愉快な悲しい思いをしてしまいます。
ですが、そこで二人はもっと大切なものを手に入れるのです。
きっと、星のせいじゃない。は青春のロードムービー
と、きれいにまとめてみましたが、この映画は難病ものだと思わないで見て欲しいです。
わたしは「泣ける映画」みたいなものが好きではないです。泣かそう泣かそうとする演出のあるドキュメンタリーも好きではありません。でもこの映画はおすすめ。
この映画に登場する若者3人は揃ってガン患者です。そこに出てくる親たちも揃ってガンの子を持つ親です。悲しくないわけはありません。でも、ユーモアを忘れない。上映中に何度笑いが起きたことか、ニコニコしたことか。
アイザックも良い味出しているし、お父さんも愛情溢れていてニヤニヤさせてくれる。
これは難病、闘病の映画ではなくて「青春のロードムービー」でいいんじゃないか。あちこちを旅するわけではないけど、大切なものや夢や希望について、誰にでも起こる、誰もが考える出来事。そこが描かれている映画です。
難病だから、人が死ぬから感動するんじゃなくて、二人の気持ちに気持ちが揺さぶられるのです。泣いてはいけない、笑ってなくては、そんな気持ちにさせられます。
そんな気持ちの人も多かったのではないでしょうか。ガスのほんのちょっとした表情でケラケラ笑ってしまいます。父の言葉にニヤニヤして、友人のアイザックの失恋のくだりで、ドッと笑いが起きてしまいます。
「泣ける」とか、そういうキャッチをつけないで、たくさんの人が見るといいな、と思っています。
親と子のすれ違い
生死をさまよっているグレイスを見て辛くなったお母さんは「もう母親をやめたい」と泣きながら夫にいいます。
グレイスはボンヤリした意識の中でその言葉を聞いてしまいます。何年もそのことを覚えています。
そして母にそのことを告げます。
母は「そういうつもりで言ったのではない」のようなことを言います。
あるでしょ。
あるよねー。
そういうこと。
多分、どんな親子でも。
口に出して解決できてよかった。逆に口に出さないと解決できないんだ、どんな親子でも。口に出したからと言って解決できるとは限らないけど。
映像が可愛いくて綺麗で素敵
スマホをちょこちょこ見るヘイゼル可愛いし、ピコンとメールが来る吹き出しも可愛い。二人で食事をするレストランも素敵。
「シャンパンは星を集めた飲み物」
ああ、いちいちそういう小粋なことを言ったり言われたりしたい。
留めておきたい言葉とまとめ
多分多くの人の心に残るであろう言葉ですが、
「0と1の間には無限の数字がある。」
0.1とか0.12とか0.123みたいに、0と1の間には無限に数字を作ることができます。無限にあります。
あれもない、これもない、じゃなくて、考え方を変えれば無限のものがある。誰もが無限を持っている。なにか目が覚める気がしました。
たくさんの人のヒーローにならなくても
「一人の特別な人でいいじゃない。」
そう。あなたのヒーロー。わたしのヒーローでいいんです。
見終わって暗い気持ちにはなりません。
すがすがしい気持ちになりました。
がんばってみようかなーという気持ちになりました。
ガスの楽しもうとするところがとても好きだーー!!
「泣ける映画」は好きではないですが、この映画は好き。
そして、少し泣きました。
そう、たくさん笑って少しだけ泣いてください。
2015年2月20日公開です。
今日はここまで。
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