「きっちり」「きちっと」
ここ20年くらいのことだと思う。テレビなど公の場で政治家など公の立場の人が「きっちり」とか「きちっと」という発言するようになったのは。
その言葉を耳にするだけで
「ああ。信用できない」
「やる気ないんだな」
って、思えて仕方ない。
「 きちんと」を強めるときに使っているようだけど、もともとの「きちんと」が曖昧な言葉だから、「きっちり」と強められても具体的には何も伝わってこない。
「きっちり」で思い出すのは引っ越しのサカイだったりするわけだけど、あれはいい。とてもいい。好きだった。面白い(ゲハハ)。
でも、政治家や何かをしなければいけない立場の人が、すこぶる曖昧な「きっちり」「きちっと」で、問題をまとめよう片付けようとしていると、あらら~って思う。
心の中でつっこむわたし
テレビ コメンテーター
「ここはきちっと解明してほしいですね」
どんな風に何を解明してほしいのかなー?
議員
「きちっと国民の声を聞いていきたいと思います」
「きちっと」「いきたい」「思います」の曖昧三連発
「やる気あるのかー」って心の中でつっこむ。
「ちゃんとやります」を「きちっとやります」に言いかえると何となく、いけている感じがするから、つい使っちゃうのかもしれないけどね。
気持ちはわかるけどね。
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でも、具体的な意味はない言葉だ。
「きっちり」「きちっと」を流行らせた先輩
昔いた会社で「きちっと」「きっちり」を多用する人がいた。この人は具体的なことは何も言わず、常にスタンドプレーだったけど、成績優秀でトップだった。
成績優秀ゆえに、上司にリーダーとして期待され、後輩を育てるように促されても、先輩は後輩を育てる気持ちや、同僚と仲良くする気持ちはないようだった。
前へ前へ出ようとする人が多い中で、実力があるのに静かに潜んでいて、その反面、貪欲に勝ちにこだわる姿勢がとても印象的でわたしは大好きだった(影で優しいところもあった)。
その先輩は、上司に営業のコツや、成績優秀なことについて、ミーティングや朝会でスピーチを求められると
「えーっと、営業のコツはきっちりやるだけです」
「えー、では皆さん今日もきちっと仕事しましょう」
と、言ったりしたので、しばらく「きっちり」「きちっと」が社内で流行った。
「きちっと」かっこいい!!
けど、いま思うと、あれももしかしたら、何も具体的なことは言いたくないから「きちっと」って言っておけばいいよね?という、先輩のブラックな作戦だったのかも(頭のいい人だったからなー)。
「きっちり」「きちっと」には具体的な意味はない。
「きっちりやれよ」
「はい」
を、
「がんばれよー」
「はーい、がんばりまーす」
「おつかれさまー」
「はい、お疲れ様でした~」
という、程度の社交辞令的に使うのは、よいと思う。
でも「きっちり」「きちっと」には具体的な意味はないから、上の立場にいる人(または親は子どもに向かって)は、できるだけ使わないほうがいいー使っても意味がないし、使っただけの指導の効果はでない。
「部下にはきっちりやれと、指導しました」は「がんばれよーって言いました」と同じようなものだから。
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