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おうつしかえ

ブヒブヒ言ってるだけです。誰も恨んでいません。

本屋さんのダイアナ[柚木麻子]就活生にも大学生にもお母さんにもお子さんにも読んで欲しい

買ってしばらく発酵させていた

「本屋さんのダイアナ」を読みました。

 

本屋さんのダイアナ

 

柚木麻子作品が好きでした。

 

で、「本屋さんのダイアナ」も張り切って買ったのですが、しばらく発酵させてしまったのは、その前に読んだ「ランチのアッコちゃん」「あまからカルテット」で、「うーん柚木麻子はもういいかな」と思ってしまったから。

 

 

柚木麻子の「終点のあの子」「王妃の帰還」が好きです。

 

少女から少し大人になるまでの話で、それぞれの気持ちの動きとか、自分の未熟さへの気づき、大人への理解とか、気持ちの移り変わりの描写の丁寧さ。そして文章が美しい。そんなところがとても好きなのです。

 

そして、それほど期待せずに読み始めた「本屋さんのダイアナ」。

 

これにここまで心を揺さぶられるとは。

 

私の呪いを解けるのは、私だけ――。すべての女子を肯定する、現代の『赤毛のアン』。「大穴(ダイアナ)」という名前、金色に染められたバサバサの髪。自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、本の世界と彩子だけが光を与えてくれた。正反対の二人だけど、私たちは一瞬で親友になった。そう、“腹心の友”に――。自分を受け入れた時、初めて自分を好きになれる! 試練を越えて大人になる二人の少女。最強のダブルヒロイン小説 Amazon.co.jp: 本屋さんのダイアナ: 柚木 麻子: 本

 

私の呪いを解けるのは、私だけ。「大穴」という名前、金色に染められたパサパサの髪、行方知れずの父親。自分の全てを否定していた孤独なダイアナに、本の世界と同級生の彩子だけが光を与えてくれた。正反対の二人は、一瞬で親友になった。そう、“腹心の友”に―。少女から大人への輝ける瞬間。強さと切なさを紡ぐ長編小説 Amazon.co.jp: 本屋さんのダイアナ: 柚木 麻子: 本

 

「本屋さんのダイアナ」は、これまで読んだ柚木麻子作品の中でベストワンかもしれません。好きな要素、読みたい要素、全部入り全部乗せ大盛マシマシです。いつもながら食べものへの描写もいいんですよ。でも、そこじゃない。

 

久しぶりに「続きを読みたくて仕方ない症候群」に陥り、電車を降りても近くの駅のベンチに座り、しばらく読みふけっていたほどです。読み終わったあともしばらく頭から離れません。

 

言いたいこと書きたいことが山ほどありますが、実際に本を読んで欲しいので、後半について3つだけ書きます。

 

ここから多少のネタバレがあるので、新鮮な気持ちで読みたい人は記事を読まずに、本を読んでください。

 

 

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人を見下していた小さな世界

自分だけの価値観で自分の中で人を見下して、自分の狭い世界にとらわれているのが子どもの特徴。

 

自分では自分のことも他人のことも見えていたつもりでも、ダイアナは社会に出て、母のいいところや、自分がいかに殻に閉じこもっていたかを知ります。自分を可愛そうに思うだけで、わからない周りが悪いとばかりに、自分を変えようと努力をしてこなかった。

 

いいえ、そんなにダメな子ではないのです。ダイアナは。どちらかというとしっかりしていた子。それでも、やっぱり自分中心なのです。自分中心がいつも悪いことではないけれど、社会では通用しない自分。役に立たない自分。力不足とか、自分の世界が小さいとか、そういうことを社会に出て知ることになります。

 

あんなに雑に育てられていたようで、実は母に守られていたことも知ります。一歩前に出ることができるのか、自分を変えることができるのか。

大学のサークルでお酒を飲みすぎ、その後

まさかの衝撃の展開でした。あの神様に守られているかのような彩子にそんなことが起きようとは。でも、現実でも珍しい話ではありません。というか現実。ニュースにも事件にもなりましたが、それ以上に似たような事はたくさん起きています。

 

紹介されて行った大学のサークル。そこでお酒を飲み過ぎ、別室で彩子はレイプされてしまいます。

 

お酒を飲んで、飲み過ぎたら、意志と関係なく動けなくなること。そういうときに近くにいる優しそうな異性が善意の人であるとは限らないこと。むしろ、全て計算の上でアルコールの作用で希望しないセックスを強要するつもりでいる人がいること。

 

彩子は思います。

親はそんなことは教えてくれなかった。

 

親のいうことを聞いてきた。

でも、親は守ってくれない。

親は教えてくれなかった。

 

起きたことを正当化するために、彩子が取った行動。彩子はレイプした亮太との交際を続けます。交際すればすべて正しいことになる。あれはレイプではなかった。

 

それが彩子の大学生生活3年間を縛ります。被害者は放置され、見えないところで被害者は増えます。被害者だった自分がある意味、共犯者になってしまいます。

 

亮太との交際。その場、その瞬間では楽しいこともあったでしょうが、それは間違った土台に作られたもの。精算してこなかった彩子の怒りは消えていないのです。自分に向き合わなかったつけは後からやってきます。

 

わかる。泣きたいほどわかる。

 

それでも現実には、向き合えないことや、精算できないこと、難しい状況もあって、逃げたり忘れるしかないこともあるわけですが。

自分を解き放つことができるのは自分だけ

親や白馬の王子様は救ってくれません。

自分の心を救えるのは自分だけです。

 

かかってしまった呪い。

自分が自分にかけた呪いは、つらくても自分で解くしかないのです。

 

 

これは本の中のお話ではありませんが、いろいろあっていろいろあって不登校自傷いろいろやって通院もあれこれして、立ち直った子が言いました。

 

「医者も薬も親もわたしを治してくれなかった。何もできない。そんなものなんだな、って。結局自分で自分を救うしかないんだな、って思ったら、なんか割り切れて大丈夫になった。それでも勇気と時間が必要だったけど」

 

泣く。

 

本屋さんのダイアナの中の話とオーバーラップします。

 

最後まで読んで欲しい。

就活生にも大学生にも高校生にも中学生にも、お母さんにも。

 

胸が苦しくなるシーンもたくさんありましたが元気が出ます。

 

自分の呪いは自分で解く!

リュークス、リュークス、フィルフィルルー。

今日はここまで。 

 

本屋さんのダイアナ

本屋さんのダイアナ

 

 

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