おうつしかえ

ブヒブヒ言ってるだけです。誰も恨んでいません。

怪物はささやく

リアルなダークなファンタジーです。「ファンタジー」って言ってはいけないんじゃないかというくらいの感じ。

 

13歳の少年コナー。

学校ではいじめられて、

愛する母は病気。

離婚した父は気にはかけてくれるけどそこまで。

 

これね。もうファンタジーというよりも、大人と子どもの狭間にいる少年が、自分ではどうにもならない現実と気持ちを、どう整理していくかっていう話だと思います。だから、フライヤーに騙されちゃダメなんですよ。

 

この画像の感じだとすごくファンタジーっぽいんですけど。

 

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このシーンも確かにあるから、間違ってはいないんだけど、わたしの観たイメージはこうじゃないの。映画のジャンルは全然違うけれど、わたしの中では「ムーンライト」とか、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」とかと同じカテゴリに入る感じ。

 

 

で、広告の定番の「号泣」が、やっぱりサイトのPRには書かれていますが、号泣はしませんよ。そういうんじゃないの。でも見終わってしばらくしてから自分の感情が揺れ動いて、泣いて浄化したくなったけれど。

心の再生。心の旅。 

ファンタジーというよりも心の物語、心の旅の物語だと思いました。

英文学最高峰《カーネギー賞/ケイト・グリーナウェイ賞》W受賞のベストセラー映画化。 破壊と感涙のダーク・ファンタジー 映画『怪物はささやく』

映画『怪物はささやく』公式サイト

 

あらすじ

13歳の少年コナーは、難しい病を抱えた母親と2人で裏窓から教会の墓地がみえる家に住み、毎夜悪夢にうなされていた。ある夜、コナーのもとに怪物がやって来て告げる。「今から、私はお前に3つの【真実の物語】を話す。4つ目の物語は、お前が話せ。」しかも怪物は、コナーが隠している“真実”を語れと迫るのだ。頑なに拒むコナー。しかしコナーの抵抗など意にも介さず、その日を境に夜ごと怪物は現れ物語の幕が上がる──。幻想的なおとぎ話のように始まり、予想を打ち砕く危険な結末に向かう3つの物語は、コナーの内なる衝動を突き動かし、彼自身を追い詰めていき──。
ついにコナーが4つ目の物語を語る時が訪れる。果たして彼が口にした、まさかの“物語”とは──?

映画『怪物はささやく』公式サイト

 

誰にでも起こる小さな出来事や大きな出来事。わいてくる怒り。自分が抱いている怒りは押し込めて隠すのが大人だと思われがちですが、でもやみくもに押し込めて我慢することはいいことなのかな。その負の感情を誤魔化さずに、認めて、対処する、ことで初めて「大人」だと言えるのではないかと。

 

登場する大人たちは少年からみれば、理不尽で残酷でみんな自分勝手。でもそれぞれが、自分の思いでよいと思って、そうしかできないと思ってやっているのです。そこに考えが至ってしまえば責められません。

 

ただどこかで、自分の怒りや思いをちゃんと認めてあげないといけないのですね。 

 

 

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自分の感情の真実に向き合うのは大人でも怖いこと。その真実を誤魔化さずに自分で認めること。そこがスタート。やり遂げたあとの少年の静かな笑みが印象的。映像も音楽も好きです。 

主人公はコナーのルイス・マクドゥーガル

コナーの泣きそうで泣かない、暗いけど、怒りと優しさを同時に湛えている目に引き込まれました。  

 

1000人のオーディションから選ばれた少年

 アティエンサは、主人公のコナー役を演じられる少年を見つけるのに苦戦したと振り返る。「コナーは、ほぼ全シーンに登場する人物。最終的に約1000人もの男の子と面接したわ。」原作者のネスが、「果たして、この映画が持つ感情的な重みに耐えられるような子はいるのだろうかと心配だった」と付け加える。
 キャスティング過程の終盤に、ルイス・マクドゥーガルという子役に白羽の矢が立った。彼はちょうど、『PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~』を撮り終えたばかりだった。ネスは、ルイスのオーディション映像を見た時のことをこう語る。「彼の演技には嘘がなく、集中力もずば抜けていた。表情から様々なものが読み取れたよ。」
 バヨナも同じ意見だ。「最終的には何人かの良い候補者が見つかったが、ルイスは心の中の葛藤を演じることができた。コナーは誰にも相談できない悩みを抱えている少年だから、それがとても重要だった。」

 

主人公のコナーのルイス・マクドゥーガルはもちろんですが、キャストがよかったです。誰も彼もが悩みを抱えていて、そして悲しくて、でもやっていく、という感じがして。

 

コナーの母はフェリシティ・ジョーンズ。

母とコナーの二人のお絵描きのシーンは、絵が好きな人ならわくわくすると思います。

 

離婚した父はドビー・ケベル。

祖母はシガニー・ウィーバー。

 

シガニー・ウィーバーもいよいよおばあちゃん役をやるようになったのかーと思いましたが、厳格だけど愛がある祖母役がピッタリでした。踏切のシーンは心に響きました。

 

愛するリーアム・ニーソンも出ているんですよ。えっ????見終わってから知りました。もちろんお顔は出ていません。コナーと話す怪物の声と自身初となるモーション・キャプチャーによる動きで出演しています。そうだったのかー♡

みんな時間が必要

自分の気持ちを認めることも、人を許すことも、自分を許すことにも時間が必要。踏切のシーンがあってよかった。

 

あとね。コナーの最後の真実。あれはとてもよくわかる。わたしも同じようなことを考えていました。うん。もう...にしたいんだよ。だって...から。

 

「...」の部分は本編を見て想像してくださいね。

2017年6月9日公開です。

 

今日はここまで。

 

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