おうつしかえ

ブヒブヒ言ってるだけです。誰も恨んでいません。

バチカンで会いましょう~カイザーシュマーレンやらポーク・シュニッツェルやら

好きな映画は?と聞かれても、なかなか選べないのですが、まず思いつくのはバグダッドカフェ。

 

 

バグダッドカフェは好きな人と見る映画にしていました。これが全くわからないという人とは多分気持ちが合わないだろうなーと、自分の中で踏み絵みたいにしていたのです。ですが一緒に観た彼氏に全然良さが解ってもらえず、がっかりすることも多く、のちに「感性なんか合わないほうがうまくいったりするものだから」と達観してからは、誰とも分かち合わない自分の好きな映画として大切に心の中にしまっています。

 

 

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そのバグダッドカフェから25年ですって。マリアンネ・ゼーゲブレヒトが主演したこの映画。バチカンで会いましょう。オープニングの景色が素敵でした。わっくわくしました。ここから始まるのかーと。

 

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マリアンネ・ゼーゲブレヒトは相変わらずおばさんで、いや、もうおばあさんなのかな。でも何かバグダッドカフェとちっとも変わっていない感じで、ふくよかで温かくてマイペースなおばあさんになっていました(役柄的に)。

 

カナダの山から娘が住む都会の家に。そしてそこから法王に会うために一人でローマに飛んで、景色がめまぐるしく変わっていきます。でも山の風景よかったなー。と、最初の最初しか出てこなかった山の風景が最後まで心に残ります。なんだろ。わたし疲れているのかな?

 

★舞台はイタリアのローマとバチカン。『ローマの休日』(53)をはじめ、様々な名作の舞台となったその街で繰り広げられる、愛と感動、涙と笑いのハートウォーミングな物語。前向きなヒロインのがんばりと料理の腕前が、周囲の人々をハッピーにしていきます。


また、劇中に登場する“シュニッツェル(カツレツ)"や“カイザーシュマーレン"など、見るからに美味しそうなドイツのバイエルン料理は大きな見どころ!

 

そう。おいしそうな映画なのです。そのお料理のシーンは何度も何度も見てしまいました(お約束)。

 

でもね、amazonの内容解説にちょっと不満があるので突っ込みを入れてみます。

 

夫を亡くしたマルガレーテは、娘たちとの同居も老人ホームへ行くのも拒否し、ローマ法王(教皇)に会うためにたった一人でバチカンに向かう。

 

拒否してないよ。拒否は。ただローマに行く必要があったのよ。法王に許しを得るために。だから同居する娘の家には来たけれど、旅行を「なし」にされ、しかもゆくゆくは老人ホームに行かされそうだったから、まずは一人でバチカンに向かっちゃうの。同居を拒否したっていうのはちょっと違うかな。げんに気が済んだら娘の家に帰ろうとしてたしね。

 

敬虔なカソリック信者として、これまで夫と幸せに暮らしてきたマルガレーテだが、彼女には法王の前で懺悔しなければならないことがひとつだけあった。


はじめてのローマ、マルガレーテはそこでイタリア人の恋人と同棲中の孫娘マルティナの部屋に転がり込む。


バチカンに向かったマルガレーテはイタリア人の老詐欺師ロレンツォと出会う。ロレンツォも他人には明かせない人生の秘密を持っていた。

 

マルガレーテには大きな大きな秘密があったけど、ロレンツォの人生の秘密って何だっけ?それほどでもない気が...

 

マルガレーテは持ち前のバイタリティでローマの廃業寸前のドイツ料理店のシェフとなって店を復活させる。


その評判は法王庁にも届き、やがて法王のためにドイツ菓子カイザーシュマーレン作りを依頼されるまでになる…。

 

え?その評判が届いてカイザーシュマーレンを依頼されたんじゃないよね?あれはロレンツォが...だよね。

 

ちょっとニュアンス違うんだよな。

 

で、そのカイザーシュマーレン。あれから食べたくて仕方ないっす。

カイザーシュマーレン - Google 検索

 

「カイザー」は「皇帝」、「シュマーレン」は「パンケーキ」の意。オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が好んだとされています。

 

要はメレンゲでふわふわさせたパンケーキですから、作ろうと思ったのですが、粉砂糖を買ってこなければ。フルーツも切れていたわ。ということで、いずれ作る!

 

そしてバターたっぷりのポーク・シュニッツェル。ドイツ料理の定番の薄いカツです。ポテトとコケモモ。

 

肉とかポテトに合うよね。ジャム。 

 

食堂のあまりにも不味いやる気のない料理に怒ったマルガレーテは、店のキッチンに勝手に入りこんで、こんな料理をパパッと作ってしまうのです。どう?どう?さぁどうよ?食べたくなるよね?観たくなるよね。わたしはこのシーンだけ5回も観ちゃいました。

 

 

バグダットカフェ同様に、バイタリティー溢れる主人公に、こちらも元気になりそうな感じでわくわく。主人公だけでなくて、みんながいろいろな思いを抱いて悩みながら生きている、という流れも好き。

 

マルガレーテの娘のマリーは自分なりに自分の子どもや夫を愛していて、でも自分ルールに振り回されて、人のお世話を焼いたり自分の思いどーりにならないと気が済まない感じ。端から見ていると息が詰まる感じなんだけど、それも多分本人はわかっていると思うんだけどどうにも止まらない。ヘタくそなんだね。きっと。夫はそんな妻をあたたかく辛抱強く見守っているんだけど、その夫の気持ちにも気がつかないマリー。一見普通の常識人のマリーなんだけど、周りが見えていないというか。でもありがちだよね。この感じ。自分もそうなっていないかな、とちょっと思える位の感じ。

 

マルガレーテの孫娘のマルティナちゃんはカトリックのお家のシッターをやっているどころか、タトゥーバリバリのロッカーの彼氏の家に転がり込んで、バーテンをやっています。ママからの電話ウゼェ~的な感じで自由にやっています。そこに敬虔なカトリック信者のグランマのマルガレーテがやってくるわけ。でもマルガレーテの包容力たるや。

 

そこからは何か既視感。カーテンを開けて風通しをしたり、お部屋を掃除したり、破廉恥なポスターにキリストの絵を貼り付けたりと、ほら、何だか気持ちがよくなってくるでしょ。バグダッドカフェ的に。

 

この女三世代がそれぞれ傷ついたり、そこから立ち直ったり、ケンカしたりするのが、なんていうか、再生?家族の再生?絆?というところがとてもよかったんですよ。みんなダメでみんないい、的な。許せないけど許すみたいな。許せないけどしょうがない みたいな。だってみんないろいろな思いを抱えて、自分で選択して生きているんだもん。もう小さな子どもじゃないから人を変えようなんて無理だよね。子育てに迷っている母親にも見てもらいたい映画。どの世代に共感するのかなぁ。

 

 

で、ここから強烈なネタバレ注意

 

 

 

 ......

 

 

 

 

マルガレーテの秘密はあまりにも唐突で大きすぎる。いやーーー重いでしょ。マリーが夫との子じゃないなんて。大きすぎる秘密。大きい秘密だったから法王に許しを得たかったマルガレーテの気持ちとつながってくるわけだけど、いや、そうじゃないだろ?

 

だからこそ、そのあとの娘のマリーの壊れっぷりが激しくて、マリーのこれまでのきちんとやるというところとの対比が凄まじくて、面白く、気持ちがいいんだけど、あの秘密は大きいよなぁ。だったら、もう少し丁寧に描いて欲しかったけど、時間との闘いだったのかな。あの描写を詳しくやればやるほど停滞ムードになってしまうし...仕方ないか。最初に観たときは、えええええええええええ!!!!???と思ったけれど、マリーとマルティナが話すシーンが心に残って。

 

マルティナが「でもわたしおじいちゃん好きだもん」的なことを言うのね。血のつながりよりももっと大きなものがあるよ、ってことなんだよね。うん。わたしも絶対そう思っているし。

 

気軽に何度でも観たい映画です。

 

で、後から気がついたのですがgyaoでも9月9日まで無料で観られたじゃん!!

ということで観てないかたはどうぞ。

 

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今日はここまで。

 

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